ローマ人の物語

ローマ人の物語(塩野七生)と一緒に歴史散策。欧州文化に関するエッセイ。(ガリア、風の大地、ヨーロッパ、ユリウス・カエサル、ハンニバル、フォロロマーノ)

日曜日, 10月 01, 2006

神は詳細に宿る

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ローマ人の物語の第1巻を読み始めて、塩野七生の、ローマ人の物語を書くアプローチにまず共感しました。なぜ15巻もかけてローマのことを書くのか、それは、歴史を大まかに解釈して語っても、どんなにうまく表現しても、本質はなかなか伝わらない。ニュアンスも含めて、歴史を正しく伝える唯一の方法は、できる限り事実にもとづき、できる限り私見を捨てて、詳細を語ることだからです。

その詳細を読んだ人は、膨大なデータを消化し、自分なりの歴史への感覚やニュアンスを感じられるようになります。そのとき初めて、リアリティのある歴史が見えてくるわけですね。「・・・・はまとめるとこういうことでしょ!」的な手法ではだめだというわけですね。まったく同感です。

インターネットの発展とともに、私たちは、莫大な情報に触れることが可能になりました。時間の制約から、詳細を見ずにサマリーした情報を利用することも多いと思います。それはそれで、しかたない部分もあるけど、やっぱり、興味の持ったことぐらいは、詳細を読み込んで、本質を極めてほしいものです。

また、世の中にはノウハウ本があふれてます。「簡単にわかる・・・・」「100分でできる・・・」とかいうやつです。こういった本は、自分の世界や視野をを薄く広げてはくれますが、どんなにノウハウ本を読んだって、本質は永遠にわからない。もし、「金持ち父さん」の本を読んだだけで、金持ちになった人、「株がわかる本」を読んだだけで、株で成功した人がいたら会ってみたいものです。

つまり、歴史に限らず、本質を見るには詳細に触れなければならないのです。私はいつもこのことを、「神は詳細に宿る」と言っています。仕事の仲間に言うこともあれば、趣味を深堀りしがちな自分の言い訳に使うこともあります。ローマ物語の面白さは、まさにこの「神は詳細に宿る」を、サマリー本になりがちな、ローマの歴史書に用いたことにあると思います。1000年も続いた、歴史上唯一無為の大帝国を、私見や象徴的な事件、魅力的な指導者だけにとどめず、生活、思想、リーダシップ、税金、土地、制度、・・・・ありとあらゆる詳細を洗い出し、まさに「ローマ人の物語」を浮かび上がらせることで、2000年の時を経た私たちに語りかけるのです。

ハードカバーの15巻はとても長い。文庫本なら45巻もある。興味がなければ読む気もしない量ですね。だからこそ、面白さを偶然知った私が、つたない文章でもそれを紹介し、自分と同じ素敵な体験をしてもらうために、ブログを書くのです。

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北岡豪史@テクノラティプロフィール





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